【オランダハウス日記】はじめてのお茶会 Japanese tea ceremony experience of the Full moon festival in Saga

2018.10.02

早いもので10月に入りました。いかがお過ごしでしょうか?
今日は、数日前の話題ですがご辛抱を。

9月といえば中秋の名月。さる9月29日は佐賀市の名所の一つ、神野(こうの)公園内にある神野茶屋で行われる「月見茶会」にオランダハウスのオランダ人チーム3人で参りました。
刺繍を通して、言葉の境界をこえてみなさんと交流したいというビクターさん。みなさんにご親切いただいて、日本文化の体験と知識を日々、深めています。今回は、刺繍プロジェクトに何度もお越し頂いている中本しのぶさんにお誘い頂きました。

「オランダには、日本みたいにティーセレモニー(お茶会)やフラワーアレンジメントを〝道〟にしたり、お作法にまでなっているものは思いつかないなあ」

とは車の中で話しているうちに、緑の木立をするすると大きな日本家屋に到着。
この神野公園は佐賀藩10代藩主で、幕末~明治維新にかけて日本をリードした名君と名高い鍋島直正公の別荘のあった場所です。生涯、質素を旨とした直正公が、あまりに簡素な造りの別荘を建てようとされているのを知って、見かねた家臣や佐賀の人々が材木などを持ち寄って建てたとのこと。

 

神野公園について

https://www.sagabai.com/main/119.html?cont=kanko&fid=69

 

春は桜が見事だそうです。本日のお茶会の会場に向かう途中、藤棚の下の「月見茶会」の看板を見て、ふだんはもの静かなデーミエンさんが、「おっ」と指さして、「つきみ、ちゃかい」と漢字を読んでみせて、にっこり☆
ロマンティックな映像を撮るのが得意なブライアンさんは「オー、着物がいっぱい!」と感嘆の声をあげました。

一度に30人ほどの皆さんと広間を囲んで座り、その流派ごとのお茶会の進行にしたがって会は進みます。ビギナーなオランダハウスチームは皆さんのご好意により、床の間を背にして坐るいいお席につかせていただき、おかげさまで、会全体やお部屋の様子が見渡せました。
外国の方は最初から長い間、正座で通すのは難しいと思いますが、デーミエンさんは日ごろからフィールドホッケーで鍛えているせいか、最初から最後まで難なく正座で通しました。
甘いものは苦手なブライアンさんは、お月見にちなんだ和菓子のおまんじゅうにちょっとびっくりしていましたが、お茶と飲み干し……。一方、マルチアーティストで、自ら映画も撮られるビクターさんは、

「すべてが古い日本の映画のよう、すべてが美しい! 日本の色があそこにもここにもある」と大興奮。現在、佐賀で行っている刺繍プロジェクトは、「色が僕らをひとつにする!」というスローガンを掲げていますが、それは日本に初めて来て、一番衝撃を受けたのが、「日本の独特な色」だったから。
着物と帯の色、日本の伝統建築の茶色のグラデーション、そこに庭園の緑と、なにもかもが感銘ぶかい様子でした。別棟の隔林亭ではお琴の演奏と、直正公が使われていた本物のお茶室――天井が低くて、にじり口があり、人が4、5人入ると一杯になるのに、なぜか心地よい――に入れていただき、しばし、江戸のサムライや茶人の心に近づいた気がしました。
こんなすごいものが残っているとは、佐賀は城下町なんだなあと感動しました。

初めてのお茶会を終えての感想は、

「すべて型があって、それに従って会が進んでいく。作法を知らない外国人でも、なぜかリラックスした気持ちになって、みなさんとの距離が近くなった気がするのは不思議でした」とビクターさん。
「またいつでもお茶に来てくださいね」とみなさんにお声をかけて頂き、早速、ブライアンさんは、「じゃあ、ここにビデオを撮りにきてもいいですか」とお約束していました。きっとすてきな動画が出来上がることでしょう。

 

(文・オランダハウス 樋渡優子 Text by YUKO HIWATARI)

2018.3.17 - 2019.1.14
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